ケロシン中での2-ナフトールのカルボキシル化

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タイトル別名
  • Carboxylation of 2-Naphthol in Kerosene
  • ケロシンチュウ デノ 2 ナフトール ノ カルボキシルカ

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抄録

これまでの研究において,2-ナフトールのカルボキシル化をアニソール中で行うと,従来のKolbe-Schmitt反応では生成されにくい3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸や6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸が得られることを見出してきた。ここでは,6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸の合成を目的とし,ケロシンを用いて2-ナフトールのカルボキシル化を行い,反応温度,反応時間という反応条件およびアルカリ金属種が生成物選択性に及ぼす影響について検討した。<br>原料のアルカリ金属種を変化させると,ナトリウム塩と比較してカリウム塩の方が収率は高い値を示した。また,6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸の選択率に着目すると,ナトリウム塩ではわずかに生成したのみであったが,カリウム塩では高選択率を得ることができた。<br>カリウム塩を原料とした場合,反応時間,反応温度ともに収率への影響はわずかであることが明らかとなった。一方,反応温度の上昇に伴い3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸選択率は減少し,6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸選択率は増加した。各生成物の熱転位反応および熱分解プロファイルより,生成物の熱安定性の違いが反応温度による生成物選択性の違いの主要な原因であると考えられる。<br>これらより,ケロシン中で原料としてカリウム塩を用いることにより,6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸を高選択的に合成できることが明らかとなった。

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