2-ブチン-1,4-ジオールの水素化触媒反応:活性,選択性,速度論研究

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  • Catalytic Hydrogenation of 2-Butyne-1,4-diol: Activity, Selectivity and Kinetics Studies

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抄録

2-ブチン-1,4-ジオール水素化反応では,cis-2-ブテン-1,4-ジオールとブタンジオールが得られるが,並行反応や逐次的異性化反応により種々の化合物が副生する。工業的にはブテンジオールとブタンジオールの選択性を制御することが重要となる。この選択性制御においては,基質である2-ブチン-1,4-ジオールの活性点への吸着特性が重要となる。本総説では,担持パラジウムナノ粒子触媒,パラジウムコロイドそして担持白金触媒による2-ブチン-1,4-ジオールの水素化反応における添加物効果,触媒前処理効果,速度論的解析結果について示す。1% Pd/CaCO3触媒では反応系内にアンモニアを添加させることで,ブタンジオールの生成が抑えられcis-2-ブテン-1,4-ジオールの選択性が増大すること,ナノ構造を有するパラジウムコロイドおよび担持パラジウム触媒ではcis-2-ブテン-1,4-ジオールへの水素化活性が通常の含浸触媒と比べて10~40倍も向上することが分かった。また,白金触媒はパラジウム触媒よりも2-ブチン-1,4-ジオール水素化反応は低いが副反応が抑制されることが分かった。特に,塩基強度の大きなアルカリを添加した白金触媒においては,中間種の脱離が促進されcis-2-ブテン-1,4-ジオールの選択性が向上すること,連続水素化反応システムを用いて白金触媒により水素化反応を行うと,接触時間を変えることによりcis-2-ブテン-1,4-ジオールとブタンジオールの生成比を広い範囲で制御できることが分かった。

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