九十九里浜沿岸地域における陸上-海底横断電気探査法の適用

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タイトル別名
  • Application of electrical resistivity measurements along a land-seafloor continuously crossing line in the Kujukuri coastal area, Japan
  • クジュウクリハマ エンガン チイキ ニ オケル リクジョウ カイテイ オウダン デンキ タンサホウ ノ テキヨウ

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抄録

千葉県九十九里浜沿岸地域において海底電気探査の適用実験を行い,その有効性を検証するとともに,地質構造,地下水構造の把握を試みた。<br> 小型船舶を用いて海底に比抵抗トモグラフィ用ケーブルを敷設し,陸上から連続する測線を設けて2極法による高密度電気探査を行った結果,海底測線でも送受信電極間隔100m程度まで信頼し得る電位データを取得することができた。このデータを用いて深度40mまでの比抵抗構造を解析した。海底下の比抵抗は深度が増すにつれて高くなり,間隙率の違いを反映しているものと考えられる。局所的に比抵抗が高い箇所があり,淡水性地下水の湧出を示唆する。陸上地表下の比抵抗は深度が増すにつれて低くなる。このことから,地表付近には淡水性地下水,深部には塩水性地下水が存在しているものと推定される。塩水性地下水の起源として現世の海水の浸入と堆積時に取り込まれた化石海水が考えられる。<br> 敷設式の高密度電気探査では基本電極間隔の狭いケーブルを使用することにより空間分解能も向上させることができ,沿岸域の地質・地下水構造調査に極めて有効な手法である。<br>

収録刊行物

  • 物理探査

    物理探査 60 (6), 489-499, 2007

    社団法人 物理探査学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (25)*注記

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