口腔癌に対する超選択的動注療法を併用した放射線治療の成績

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  • HIGH-DOSE SUPERSELECTIVE INTRA-ARTERIAL CISPLATIN AND CONCOMITANT RADIATION THERAPY FOR CARCINOMA OF THE ORAL CAVITY

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抄録

【目的】口腔癌に対する動注放射線療法の治療成績を検討する. 【対象と方法】2001年 4 月~2006年 1 月までに当院で超選択的急速動注放射線療法が行われた18例を対象とした. 年齢は43~81歳(中央値60歳)で男女比は14 : 4 である. T2, T3, T4はそれぞれ 5 例, 3 例, 10例で, 6 例は初診時にリンパ節転移を伴っていた. 動注は放射線治療開始後速やかに開始し, 週 1 回を目安に照射期間の間に 4 回以上の投与を基本とした. 使用薬剤はCDDP(100 mg/body/回)で, 毎回セルジンガー法にて超選択的に急速投与した. なお, 初診時に頸部リンパ節転移を伴っている症例はそれらの栄養血管にも選択的動注を行った. 放射線治療は60~68 Gy(中央値 60.8 Gy)の照射を行った. 経過観察期間は 5~47カ月(中央値28カ月)である. 【結果】3 年累積生存率は71%であった. 治療の一次効果は全例においてPR以上の治療効果がみられた. 局所は18例中16例, 初診時N陽性症例における転移リンパ節は 6 例中 5 例がCRとなった. 一次効果でCR例のうち 4 例で局所再発がみられ, 2 例でリンパ節再発がみられた. 3 年の局所制御率, 無再発率はそれぞれ65%, 60%であった. T2-3 とT4 の 3 年局所制御率はそれぞれ, 83%と50%で, 前者に良好な結果が得られた(p = 0.05). 重篤な急性障害は 1 例もみられなかったが, 晩期障害として 5 例に顎骨炎を認めた. 【結論】口腔癌に対する動注放射線療法は臓器温存が期待できる治療法である.

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