OSAS診療における実地医家と専門医の連携  専門医の立場から:成人の場合

  • 鈴木 賢二
    藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院耳鼻咽喉科

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抄録

睡眠呼吸障害は耳鼻咽喉科, 小児科, 呼吸器内科, 循環器内科, 神経内科, 精神神経科, 歯科口腔外科, 産婦人科, 泌尿器科など種々の科で取り扱われているが, 多くがOSASであり, その原因が鼻腔, 咽頭, 喉頭などの耳鼻咽喉科領域に存在し, いびきの音源も鼻腔, 咽喉頭などにあることが多く, 診断・治療でわれわれ耳鼻咽喉科医の果たすべき役割は, 極めて大きいといえる. いびきあるいはOSASが正しく診断され, 正確な責任部位と閉塞様式が診断されると, おのずと実施可能な保存的または手術的治療が明確となり, 患者の希望を十分に酌み入れて最良の治療法が決定可能となる. そのためには第一線で診察される実地医科と専門医の連携が極めて大切であり, 以下の場合などは実地医家がOSAS患者を専門医に紹介するのがよい場合といえよう. 1. 問診でOSASが疑われるが検査が出来ないとき. 2. 責任部位診断等が必要だが出来ないとき. 3. AHI≧20でCPAPその他の治療が出来ないとき. 4. CPAPその他の治療でコントロールできないとき. 5. 合併症等あり専門的診断治療が必要なとき.<BR>以上, OSAS患者は全身的合併症を有することが多く, それぞれの専門家と協力して治療を進めてゆくことも極めて大切である.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 20 (2), 167-171, 2008

    日本口腔・咽頭科学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (7)*注記

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