急性胆管炎の重症度診断と転帰に関する検討

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  • Evaluation of the Severity and Prognostic Factors in Patients with Acute Cholangitis

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抄録

【目的】急性胆管炎の自験例についてその転帰を検討し,あわせて診療ガイドラインの重症度判定基準の妥当性を考察した。【対象】当科および当院救命センターにて経験した急性胆管炎のうちCharcotの三徴に加え,化膿性胆汁,ショック,凝固-線溶異常,臓器不全のいずれかを合併する症例35例。【結果】生存23例,死亡12例。年齢,性別,原因疾患,Reynolds五徴の有無,凝固-線溶異常の有無は転帰と相関を認めなかった。初診時に肝・腎・肺・消化管に障害を伴う群は死亡率が有意に高かった。また,障害臓器の総数(0~6)の平均値は生存例1.1,死亡例4.1となり,転帰と有意な相関を認めた。【結語】(1)急性胆管炎の転帰と関連した重要な障害臓器は肝,腎,肺であった。(2)障害臓器数は転帰を反映した。(3)急性肺障害は現行の診療ガイドラインの重症度診断基準には含まれず,今後付加すべき項目として検討すべきと考えられた。

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