腸管嚢腫様気腫症を呈した壊死型虚血性大腸炎の1例

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タイトル別名
  • A Case Of the Gangrenous Type of Ischemic Colitis Showing Pneumatosis Cystoides Intestinalis

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抄録

腸管嚢腫様気腫症はさまざまな疾患でみられるまれな病態であるが,腸管虚血合併例では致死率が高く予後不良の徴候とされている。今回,腸管嚢腫様気腫症を呈した壊死型虚血性大腸炎の1例を経験したので報告する。症例は糖尿病,高脂血症,心筋梗塞の既往のある 80歳,男性。入院前日より腹痛,下痢を認め,症状が増悪したため近医を受診し,腸閉塞を疑われて当科を紹介された。入院時身体所見では腹部は緊満し上腹部に圧痛を認め,筋性防御,反跳痛を伴っていた。腹部単純X線,腹部 CTでは上行結腸から横行結腸が拡張し全周性の腸管壁内気腫像を認めた。腸管壊死,汎発性腹膜炎を疑い緊急手術を施行した。術中所見は盲腸から下行結腸が壊死に陥っており,大腸亜全摘術を施行した。術後経過は良好であった。壊死型虚血性大腸炎は死亡率が高い疾患であるが早期手術によって救命できた。壊死型虚血性大腸炎は早期診断,早期手術が重要であると考えられる。

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