ポリアンモニウム電解質による紫外線吸収剤の黄変抑制効果

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タイトル別名
  • Anti-Discoloration Effect of Polyammonium Electrolyte on Organic UV Absorbers
  • ポリアンモニウム デンカイシツ ニ ヨル シガイセン キュウシュウザイ ノ オウヘン ヨクセイ コウカ

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抄録

ベンゾトリアゾール系,ベンゾフェノン系紫外線吸収剤をポリマー製品に添加すると,黄味の初期着色を与えることがある.その原因の一つとして,フェノール性ヒドロキシル基と共存するアルカリ物質ないしは金属化合物との相互作用があげられている.紫外線吸収剤を含む有機溶液に水酸化テトラブチルアンモニウムおよびチタン(IV)テトラブトキシドを添加すると,同ヒドロキシル基の H+ に伴う吸収の長波長シフトにより溶液が黄色を呈する.この黄色溶液に低分子電解質を高濃度加えると無色となった.この効果が,近接した電解質カチオンが H+ と同様の負電荷の局在化を行うことによるとし,電荷密度の高いカチオンとしてポリアンモニウムの利用を試みた.その対アニオンに疎水性のビス(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸を選び,有機媒体に易溶としたポリアンモニウム電解質を用いた場合,低濃度の添加でも呈色を抑制できた.このポリアンモニウム電解質はポリビニルブチラール樹脂などにも添加でき,黄変抑制効果を示した.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 65 (9), 587-593, 2008

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (22)*注記

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