摂食動作時における口と手の協調運動-手づかみ食べにおけるpick upから口唇での摂りこみまで-

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  • Mouth to Hand Coordination during Finger Feeding

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抄録

摂食機能における口と手の協調運動発達に関しては未だ明らかにされていない点が多い.そこで摂食動作時の口と手の位置と動きの関係を明らかにすることを目的に3次元動作解析システムを用いて健康な成人20名で手づかみ食べ動作でのpick upから口唇での捕食までを検討した.被験食品のボーロを被験者の左右と正面の3か所に置き, 以下の4時点を基準に手づかみ食べ動作を測定した.1) pick up時点 (P), 2) 口唇での捕食時点 (I), 3) 開口開始時点 (O), 4) 指尖垂直位となる時点 (V), これらそれぞれの時点問についての所要時間と運動軌跡長および速度について検討し, 以下の結果を得た.1.所要時間, 運動軌跡長においては, 指尖垂直位となる時点から口唇での捕食まで (V-I) が最も短く, また同時点間 (V-I) の速度は他の時点間に比べ最も遅かった.2.被験食品を置く位置の違いによる各時点問の所要時間, 運動軌跡長および, 速度には統計学的有意差は認められなかった.3.1) 開口開始時点 (O) と指尖垂直位となる時点 (V) の位置関係によって以下のIII群に分類することができた.I : 被験食品を置いた位置にかかわらず, 開口開始後に指尖垂直位となる, II : 被験食品を置いた位置にかかわらず, 指尖垂直位になってから開口開始する, III : 被験食品を置いた位置によってIとIIが混在する.被験者の65%がI群に属していたがII群は10%と少数であった.2) II群に属する被験者はI群に比べpick upから捕食までに要する所要時間が有意に長く, また, 速度が遅いという特徴がみられた.

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