デジタル写真画像を利用した竹林地下部現存量の推定

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  • Estimating underground biomass of bamboo stand using the digital photograph
  • デジタル シャシン ガゾウ オ リヨウ シタ チクリンチ カブ ゲンソンリョウ ノ スイテイ

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抄録

これまで、竹林の地下部を大規模に調査した例はほとんどない。本研究では、モウソウチク-ハチク混生竹林において、10 m×10 mの調査区を対象とした発堀調査を実施した。高圧水で表土を流去した後、デジタル写真画像を撮影した。撮影した写真画像の左右または上下の辺の長さが同一になるように微調整した後、目視判読により落ち葉、石、竹および樹木の切株などを消去した。その後、補正した写真画像を対象に、輝度強度に基づく画像処理により、竹の地下茎と地下茎の細根の写真画像面積をそれぞれ算出した。地下部画像による面積とこれら地下茎面積と細根の現存量データとの回帰式 (地下茎:r=0.91、細根:r=0.81)を導き、全調査区の地下茎および地下茎の細根の現存量を推定した。一方、切株部の現存量は幹の胸高直径と切株現存量との相関関係(r=0.98)から求めた。また、地下に埋まった残存株の現存量は、細根生え際直径と切株現存量との相関関係(r=0.97)から推定した。この結果、調査域における地下茎、地下茎の細根、切株および残存株の現存量はそれぞれ15.67、9.51、7.55および2.45 t ha-1となり、地下部の総現存量は35.17 t ha-1となった。さらに、相対生長式によって竹稈の胸高直径から算出した調査域内の地上部現存量は23.31 t ha-1と推定され、地上部と地下部現存量の比(T/R比)は0.66と見積もられた。2 m四方に分画した25小区の地下部現存量は9.71~17.83 kg/4 m2に分布し、竹林地下部現存量を推定するためには16~36 m2程度のサンプリングが必要と考えられる。

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参考文献 (13)*注記

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