チタンに対するトライボケミカル処理条件がレジンセメントの接着強さに及ぼす影響

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  • Factors Affecting Tribo-chemical Treatment for the Bond Strengths of a Resin-based Luting Cement for cp Titanium Surfaces

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抄録

歯科医療に用いる金属の中でも, 高い生体適合性などの観点からチタンが注目されている.また, 近年歯科用CAD/CAMを用いたチタン製クラウン・ブリッジの製作が期待されている.しかしCAD/CAMにより切削加工されたクラウン・ブリッジは, 切削面が比較的平滑であるため, レジン系合着材に対して良好な接着を得るためには, クラウン・ブリッジ内面に適した表面処理法もしくは表面改質法が望まれる.そこで本研究では, チタンに対して接着性向上を期待できる表面処理法としてトライボケミカル処理に注目し, トライボミカル処理を施したチタンの表面性状の変化や表面組成を分析し, また, レジンセメントを使用した接着試験から接着強さを評価した.その結果, トライボケミカル処理後のチタン表層には, シリカおよびアルミナが検出された.トライボケミカル処理はサンドブラスト処理よりも低い噴射圧で使用可能であることから, メタルフレームの変形やマージンの損傷を防止できると考えられた.トライボケミカル処理はチタンに対してはメーカー推奨の0.28MPaよりも低い噴射圧でも, またメーカー推奨の90度よりも小さい噴射角度でも十分な接着強さを示したことから, クラウン・ブリッジ内面の接着前表面処理にも実用化可能である.

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