幽門側胃切除術と脾摘術を施行し得た特発性血小板減少性紫斑病合併早期胃癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Distal Gastrectomy with Splenectomy for Early Gastric Cancer Combined with Idiopathic Thrombocytopenic Purpura

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抄録

特発性血小板減少性紫斑病(以下ITP)に合併した早期胃癌に対し,脾臓摘出術を伴った幽門側胃切除術が可能であった症例を経験したので報告する。症例は73歳,女性。健診にて血小板の減少を指摘され当院を紹介受診しITPと診断された。貧血を認めたため,上部消化管内視鏡検査を行ったところ胃幽門前庭部に0-IIcの早期胃癌が認められ,組織生検と培養検査にて中分化型腺癌とヘリコバクター・ピロリー菌(以下H. pylori)感染が陽性と診断された。近年,ITPとH. pylori感染について両者に関連があることが報告されている。これまで脾臓を摘出する場合は残胃への血流の問題から胃全摘術が勧められてきた。侵襲の低減目的でH. pylori菌の除菌療法を行いITPの改善を期待したが,除菌成功後もITPは改善しなかった。このため脾臓摘出術を伴う幽門側胃切除術を施行し術後経過が良好であった症例を経験したので報告する。

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