自然解除した成人発症続発性小腸軸捻転症の1例

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タイトル別名
  • Spontaneous Resolution of Adult-Onset Small Bowel Volvulus: A Case Report

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抄録

症例は77歳女性。嘔吐と腹痛を主訴に当院救急外来を受診し,小腸イレウスの診断にて緊急入院となった。イレウス管挿入のうえ保存的に経過観察したが,イレウス管の先端は十二指腸下行脚まで進むのみであった。イレウス管造影では,トライツ靱帯にて後腹膜に固定されるべき十二指腸水平脚が右側へ捻転して捻転部口側の腸管の狭小化を認め,corkscrew sign陽性と考えられた。十二指腸の後腹膜への固定不全により生じた続発性小腸軸捻転が疑われた。手術適応と考えられ,開腹術を行う方針となったが第30病日に小腸透視を行ったところ捻転は自然解除されていた。その後イレウス症状なく順調に経過したため退院となった。小腸軸捻転症はまれではあるが急性腹症の鑑別疾患として念頭に入れるべき疾患である。今回われわれは自然解除した成人発症続発性小腸軸捻転症の1例を経験したので報告する。

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