盲腸憩室炎穿孔による盲腸周囲膿瘍に対し穿刺ドレナージにより腸切除を回避し得た1例

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タイトル別名
  • A Case of Successful Conservative Therapy by Percutaneous Drainage for a Pericecal Abscess Due to Perforation of Cecal Diverticulitis

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抄録

症例は74歳,女性。盲腸憩室炎の診断で当院外科へ入院。入院時の腹部CTで盲腸壁の浮腫,肥厚があり絶食,抗生剤の点滴で加療したが治療中に腹痛の増強あり,腹部CTの再検査で腸管壁の浮腫,肥厚の増悪を認めた。緊急手術も考慮したが高度の肥満,コントロール不良の糖尿病などが併存し,術後合併症の発生の可能性が高いこと,上行結腸まで浮腫が及んでおり腸管切除が広範囲に及ぶ可能性があること,膿瘍形成した時点での経皮的穿刺ドレナージも可能と考え抗生剤を変更し保存的治療にて経過を観察した。3日後の腹部CTで盲腸周囲膿瘍が明らかとなりただちにエコー下に穿刺ドレナージを行った。ドレナージチューブからの排膿は次第に減少した。1ヵ月後,大腸内視鏡検査を行い盲腸に憩室を認めたが炎症は消退していた。その後も炎症の再燃はなく糖尿病のコントロールを行いドレナージチューブを抜去,退院となった。

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参考文献 (11)*注記

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