腹腔鏡下手術を施行した虫垂粘液嚢腫の4例

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  • Four Cases of Appendiceal Mucocele Treated with Laparoscopic Surgery

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抄録

最近経験した虫垂粘液嚢腫4例に対して, 腹腔鏡下手術を施行した。年齢は平均68.5歳で, 全例が男性であった。腹部超音波検査や腹部CT検査により, 虫垂粘液嚢腫と全例で術前診断した。腹腔鏡下に観察すると, 虫垂は棍棒状に腫大し, 2例では虫垂が盲腸に重積し, 1例では虫垂に憩室を認めた。虫垂根部に腫大を認めない1例では単なる虫垂切除術を, 虫垂根部まで腫大した2例では自動縫合器で虫垂根部を含めた盲腸を部分切除した。なお, 盲腸底部に虫垂が重積していた1例では, 下腹部正中を小切開して盲腸を部分切除した。組織学的には粘液嚢胞腺腫3例および粘膜過形成1例であった。また1例では杯細胞カルチノイドを併存したが, 高齢を考慮して追加切除はしなかった。術後1年5カ月が経過したが, 再発は認めていない。良悪性の術前・術中診断が困難な虫垂粘液嚢腫に対して症例に応じた腹腔鏡下手術を行い, 切除標本の病理結果から追加手術を検討することにより, 過大な手術侵襲を避けることができた。

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