下咽頭癌に対する術前化学療法の有用性

  • 千々和 秀記
    久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 進 武一郎
    久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 坂本 菊男
    久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 梅野 博仁
    久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 中島 格
    久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Analysis of Neoadjuvant Chemotherapy in Hypopharyngeal Carcinomas
  • カイントウ ガン ニ タイスル ジュツゼン カガク リョウホウ ノ ユウヨウセイ

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抄録

2000~2005年に久留米大学病院耳鼻咽喉科で下咽頭局所進行癌に対して咽喉食摘あるいは咽喉摘を行った48症例を対象とし,NACの有用性について検討した。NACによる奏功度は,原発巣に対してはPRが13例 (54%),NCが11例 (46%),リンパ節に対してはPRが9例 (38%),NCが15例 (62%) であった。生存率,遠隔転移制御率はNAC群とnon-NAC群を比較した結果,両者間に統計学的に有意な関係は認めなかったが,NAC群のほうが良い傾向があった。遠隔転移はNAC群が5例 (21%),non-NAC群が10例 (42%) に認めた。また,生存期間および遠隔転移出現までの期間はNAC群とnon-NAC群では差を認めなかった。奏功度別の生存率は,原発巣の効果がPR例の3年生存率は92%,NC例では28%であった (p =0.02)。また,リンパ節の効果がPR例の3年生存率は100%,NC例では41%であった (p =0.01)。すなわちNACは予後を推測する一つの指標として有用な治療と考えられた。

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参考文献 (18)*注記

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