2007年度全国高等学校総合体育大会における柔道競技者のTrichophyton tonsurans感染症検診

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タイトル別名
  • Screening Examination of Trichophyton tonsurans among Judo Practitioners at the All Japan Inter High School Championships, Saga 2007
  • 2007ネンド ゼンコク コウトウ ガッコウ ソウゴウ タイイク タイカイ ニ オケル ジュウドウ キョウギシャ ノ Trichophyton tonsurans カンセンショウ ケンシン

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抄録

2007年度に佐賀県で開催された全国高等学校総合体育大会における,柔道競技者のTrichophyton tonsuransT. tonsurans)感染症を目的としたhair brush sampling法(HB法,スパイク90本)による検診を行った.競技参加者951名の中で検診希望者487名(男265名,女222名)を対象とした.陽性率の高い地域は九州21%(73名中15名),東北17%(77名中13名),近畿16%(89名中14名),中部13%(89名中12名)であった.さらにHB法でコロニー数30個以上の強陽性者は九州4名,東北4名,中部2名,近畿2名でありHB法陽性率の高い4地域と一致した.アンケート調査の回答ではT. tonsurans感染の存在を90%は知っており,HB法検診の経験者は11%であった.37%(486名中178名)は検診結果の報告を不要と回答した.HB法検診の経験が少ない理由としては,皮膚科医によるHB法検診がまだ充分浸透していないことや,HB法などによってT. tonsurans感染者が判明し,試合への参加が制限されることを懸念するためHB法検診への参加に消極的であることなどが考えられた.したがって監督指導者に対するT. tonsurans感染症の啓発も重要であるが,我々皮膚科医も自主的に学校や団体に赴き,HB法などを用いた検診を積極的に行うべきである.検診結果報告不要の理由として,検診結果が監督や仲間に公表される危惧をあげる選手も多く,このことがHB法検診への不参加につながっていることが推測され,結果報告時の個人情報の取り扱いには充分なる配慮が必要と考えた.

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