過去の災害を復元し将来を予測するためのアプローチ<BR>—津波研究を事例に—

  • 今村 文彦
    東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター
  • 後藤 和久
    東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Predicting Future Tsunamis by Combining Historical Documentation, Sedimentological Study and Numerical Simulation
  • 過去の災害を復元し将来を予測するためのアプローチ--津波研究を事例に
  • カコ ノ サイガイ オ フクゲンシ ショウライ オ ヨソクスル タメノ アプローチ ツナミ ケンキュウ オ ジレイ ニ

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抄録

低頻度大災害の代表例である津波は,稀にしか起こらないために,その規模や挙動の詳細について知ることは容易ではないが,わが国には多くの史料が残されており,これらを検証することで過去の津波災害がどのような実態であったのか知ることができる.ただし,史実は断片的かつ定性的な内容であることがほとんどであり,何らかの科学的手法でそれを補う必要がある.史実に津波堆積物調査と数値解析から得られる情報を加えて,これら三者を連携させることにより,過去の津波像を紐解き復元することが可能であると考えられる.特に,津波堆積物には津波の流れや波力などのインパクトについての記録が保存されていると期待され,当時の詳細な津波来襲状況を知る手だてとなるため,将来の津波の災害像を予測(影響評価)する上で大変重要である.また,砂質の土砂移動だけでなく岩塊の移動も,過去の津波の解析に有効であり,本論では,石垣島での1771年明和地震津波の解析事例を紹介する.

収録刊行物

  • 第四紀研究

    第四紀研究 46 (6), 491-498, 2007

    日本第四紀学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (20)*注記

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