高用量フェンタニルパッチによりがん性疼痛が軽減した1症例

  • 松崎 孝
    岡山大学医学部・歯学部附属病院麻酔科蘇生科ペインセンター
  • 西江 宏行
    岡山大学医学部・歯学部附属病院麻酔科蘇生科ペインセンター
  • 森松 博史
    岡山大学医学部・歯学部附属病院麻酔科蘇生科ペインセンター
  • 石川 慎一
    岡山大学医学部・歯学部附属病院麻酔科蘇生科ペインセンター
  • 佐藤 健治
    岡山大学医学部・歯学部附属病院麻酔科蘇生科ペインセンター
  • 溝渕 知司
    岡山大学医学部・歯学部附属病院麻酔科蘇生科ペインセンター
  • 中塚 秀輝
    岡山大学医学部・歯学部附属病院麻酔科蘇生科ペインセンター
  • 松三 昌樹
    岡山大学医学部・歯学部附属病院麻酔科蘇生科ペインセンター
  • 横山 正尚
    岡山大学医学部・歯学部附属病院麻酔科蘇生科ペインセンター
  • 森田 潔
    岡山大学医学部・歯学部附属病院麻酔科蘇生科ペインセンター

書誌事項

タイトル別名
  • High-dose transdermal fentanyl for cancer pain
  • 症例 高用量フェンタニルパッチによりがん性疼痛が軽減した1症例
  • ショウレイ コウヨウリョウ フェンタニル パッチ ニ ヨリ ガンセイ トウツウ ガ ケイゲンシタ 1 ショウレイ

この論文をさがす

抄録

がん性疼痛の軽減にフェンタニルパッチの高用量が必要であった症例を報告する.56歳の男性で,直腸癌による肛門部から仙骨部に持続的な疼痛があった.モルヒネ徐放薬150 mg/日とフェンタニルパッチ2.5 mgを使用していたが,疼痛管理が困難であったので,ペインセンターへ紹介となった.副作用の便秘が強く,フェンタニルパッチ単独に変更し,リドカインの全身投与,アミトリプチリンの内服を併用した.しかし,疼痛は軽減しなかったので,くも膜下フェノールブロックや持続硬膜外ブロックを行い,疼痛は一時的には軽減した.その後,腫瘍が増大し,痛みが増強したので,フェンタニルパッチを65 mgまで増量し,疼痛は軽減した.疼痛管理開始から7カ月後に永眠したが,意識障害や呼吸抑制はなかった.治療中にフェンタニルパッチの20 mg,50 mg,65 mgを使用していた時のフェンタニルの血中濃度は,それぞれ,9.8,21.6,22.0 ng/mlと高値であった.いずれの時期も呼吸抑制,意識障害はなかった.

収録刊行物

参考文献 (9)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ