帝王切開術後創部に発生した腹壁子宮内膜症の1例

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  • A CASE OF ENDOMETRIOSIS DEVELOPED IN THE ABDOMINAL WALL SCAR AFTER CESAREAN SECTION

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抄録

帝王切開術後創部に発生した腹壁子宮内膜症の1例を経験した.症例は30歳,女性.6年前の第2子出産時に帝王切開の既往がある.疼痛を伴い,次第に増大する腹壁創部腫瘤を主訴に来院した.画像検査所見では手術創部やや右側を中心にほぼ全長にわたる腫瘤が存在しており,月経周期に一致して症状が変化し,CA125の変動も参考に腹壁子宮内膜症の診断で摘出手術を施行した.内膜組織の残存がないように周囲の健常組織を含めて切除を行い,筋・筋膜欠損部にはメッシュによる補修を必要とした.術後1年以上経過しても症状の再燃はなく,画像検査でも再発徴候のない良好な結果を得た.腹壁子宮内膜症は非常に稀な疾患とされるが,婦人科手術の既往があり,月経随伴症状を伴う手術創部腫瘤に対しては,本症を念頭におく必要がある.

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