大量出血を伴った後腹膜脂肪肉腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF RETROPERITONEAL LIPOSARCOMA WITH RETROPERITONEAL MASSIVE BLEEDING

この論文をさがす

抄録

症例は44歳,女性.嘔吐,腹痛にて当院へ救急搬送された.来院時,腹部に著明な膨隆を認めた.血液検査ではRBC 321×104/μl,Hb 10.5g/dl,Ht 29.8%であった.腹部<BR>CT検査にて後腹膜腔に17.5cm大のfatty density massを認め,左腎,結腸,膵を右側に圧排していた.腹痛および腹部膨満感の増悪を訴え,血液検査を施行すると,RBC 237×104/μl,Hb 7.7g/dl,Ht 23.4%と貧血が進行していたため,後腹膜腫瘍よりの出血と診断し,緊急手術を施行した.後腹膜腔に血腫とともに充実性の腫瘍を認めた.周囲臓器との境界は一部で明らかでなく,後腹膜腫瘍摘出術,左腎・脾・膵尾部・左副腎の合併切除術を施行した.切除標本の重量は2,460gで,病理組織学的検査にては高分化型の脂肪肉腫であった.術後補助療法は行わず,術後26カ月の現在,再発の徴候なく経過観察中である.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ