S状結腸へ穿通した急性虫垂炎の1例

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  • A CASE OF ACUTE APPENDICITIS PENETRATING TO SIGMOID COLON

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抄録

S状結腸へ穿通した急性虫垂炎の1例を経験したので報告する.症例は76歳,男性.右側腹部痛および37℃台の発熱を主訴に来院した.右下腹部に圧痛を伴う硬い腫瘤を触知したが,腹膜刺激症状は認めなかった.血液検査上著明な炎症所見を呈し,腹部CTでは右下腹部に回腸から上行結腸が一塊となった8cm大の腫瘤を認めた.虫垂炎による腹腔内膿瘍を強く疑ったが,抗生剤の投与により症状は著明に改善したため,緊急手術は施行しなかった.保存的治療後の下部内視鏡検査ではAVより20cm口側のS状結腸に陥凹を伴う隆起性病変を認め,下部消化管造影では虫垂からS状結腸隆起性病変部へ線状の交通を認めた.急性虫垂炎によるS状結腸穿通と診断し,発症より2カ月後に開腹手術を施行した.開腹所見では虫垂が一部索状にS状結腸へ癒着しており,瘻孔と判断した.手術所見で悪性の可能性はないと判断し,索状物の結紮切離・虫垂切除を施行した.

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