右肘部軟部腫瘍の精査中に偶然発見された右肝動脈瘤の1例

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  • A RIGHT HEPATIC ARTERY ANEURYSM INCIDENTALLY FOUND OUT DURING EXPLORATION FOR A SOFT TISSUE TUMOR IN THE RIGHT ELBOW

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抄録

57歳,女性.右肘部軟部腫瘍の精査のため施行した腹部単純CTで肝門部に腫瘤を指摘された.dynamic CTの早期相で,同部は淡く造影され,早期相から後期相にかけて,内部に造影剤のpoolingを認めた.3D画像では右肝動脈は狭小化し,その肝側は嚢状に拡張し,途絶していた.右肝動脈の仮性動脈瘤と診断し,手術を施行した.手術所見は,総胆管背側に結合組織に被包された腫瘤を認め,右肝動脈の仮性瘤と診断した.術中color Doppler US(CDUS)では,瘤内に血流シグナルを認めたが,瘤より肝側の血流は認めず,動脈結紮術の方針とした.術後は,軽度のトランスアミナーゼの上昇を認めたのみで,術後10日目に軽快退院した.肝動脈瘤の術前診断にはdynamic CTとその3D画像が,術中の方針決定にはCDUSが有用であった.血行再建の必要のない非緊急例では,動脈結紮術は安全な治療法の一つと考えられた.

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