アミノレブリン酸投与によるがん固有蛍光と一酸化窒素

  • 松井 裕史
    筑波大学大学院人間総合科学研究科 消化器病態制御医学専攻
  • 宇土 潤平
    筑波大学大学院人間総合科学研究科 消化器病態制御医学専攻
  • 金子 剛
    筑波大学大学院人間総合科学研究科 消化器病態制御医学専攻
  • 下川 治
    筑波大学大学院人間総合科学研究科 消化器病態制御医学専攻
  • 兵頭 一之介
    筑波大学大学院人間総合科学研究科 消化器病態制御医学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Nitric Oxide induces Cancer Specific Fluorescence after Aminolevulinic Acid Treatment
  • Nitric Oxide induces Cancer Specific Fluorescence after Aminolevulic Acid Treatment

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抄録

アミノレブリン酸(ALA)投与によるプロトポルフィリン蓄積を観察し,がん特異的蛍光を観察する手法はとても有用であり,光線力学的療法として臨床応用されている.<BR>我々はALA投与によってがん固有蛍光が惹起される現象の機序を解明することで,最も適した症例を選択して治療を行うことが可能になると考え,これまで検討を進めてきた.検討の結果,Nitric Oxide(NO)ががん特異的なプロトポルフィリン蓄積に重要な役割を果たしていた.Nitric Oxide Synthaseを発現させた細胞ではプロトポルフィリンの蓄積が強くなり,光毒性が強く現れた.さらにNO Synthaseの阻害剤を投与するとプロトポルフィリンの蓄積が弱まった.ALA投与時のプロトポルフィリン蓄積にはNOが関与していた.ALA投与によるがん特異的蛍光はNOによるALAの取り込み量増大とフェロキレテースの失活によって惹起されていた.本論ではアミノレブリン酸投与時のプロトポルフィリンの蓄積機構について,NOとヘム代謝の関係を交えながら概説する.

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参考文献 (44)*注記

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