小児同種造血幹細胞移植症例に伴う腎障害の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Renal insufficiency after allogeneic stem cell transplantation in children
  • 臨床研究 小児同種造血幹細胞移植症例に伴う腎障害の検討
  • リンショウ ケンキュウ ショウニ ドウシュ ゾウケツ カンサイボウ イショク ショウレイ ニ トモナウ ジン ショウガイ ノ ケントウ

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抄録

当院にて初回造血幹細胞移植を施行した小児27例の腎障害の発症頻度および発症に関わるリスク因子について検討した。対象の年齢の中央値は7歳(6ヶ月∼16歳),原疾患は血液悪性疾患19例,非悪性疾患8例で,非血縁者間移植が19例を占めていた。急性腎障害は51.9%, 慢性腎障害は22.2%に認めた。急性・慢性腎障害の発症頻度は前処置強度,TBI線量,GVHD予防,GVHDの重症度について検討したが有意差は認めなかった。13歳以上の症例では12歳以下の症例と比べて急性腎障害の頻度は同等であったが,慢性腎障害の頻度は有意に高かった。移植前値に比べ急性期に3倍以上の血清クレアチニン(SCr)値上昇があった症例で慢性腎障害の発症率が有意に高かった。今後,年長児症例や急性腎障害が重度であった症例に対しては,特にACE阻害剤またはAII受容体拮抗剤による腎障害発症予防の有用性を検討する必要があると考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 49 (11), 1530-1535, 2008

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (20)*注記

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