ポリ(メタクリル酸メチル)へのベンゾフェノン誘導体の光グラフト反応

書誌事項

タイトル別名
  • Photo-induced Graft Reaction of Benzophenone Derivatives with Poly(methyl methacrylate) in a Thin Film State
  • ポリ メタクリルサン メチル エノ ベンゾフェノン ユウドウタイ ノ ヒカリ グラフト ハンノウ

この論文をさがす

抄録

紫外線照射によるポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)へのベンゾフェノン誘導体のグラフト反応の進行を比較するために,4 種類のベンゾフェノン誘導体を含有させた PMMA 薄膜に水銀灯からの輝線 313 と 365 nm の紫外線照射を行い,フーリエ変換赤外分光(FTIR)測定によるベンゾフェノン誘導体の減少率の算出と,ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によるベンゾフェノン誘導体と PMMA とが結合した割合(グラフト化率)を算出した.4 種類のベンゾフェノン誘導体として,ベンゾフェノン(BP),4-メトキシベンゾフェノン(MBP),2-デシルオキシ-4-メトキシベンゾフェノン(2D4MBP),4-フェニルベンゾフェノン(PBP)を用いた.FTIR 測定によるベンゾフェノン誘導体のカルボニル基の対称伸縮振動を追跡した結果,紫外線照射によるベンゾフェノン誘導体の減少率は,水銀灯輝線の波長 313 nm でのモル吸光係数の大きな 2D4MBP>MBP>BP の順で大きくなり,PBP は励起状態の違いから減少率が低かった.PBP を除いたベンゾフェノン誘導体の GPC 測定を行った結果,一定のベンゾフェノン誘導体の減少率で PMMA とのグラフト化率を比較すると,BP>MBP>2D4MBP の順となることがわかった.モル吸光係数とグラフト化率の関係から,PMMA へのベンゾフェノン誘導体の光グラフト反応は,4 種類のベンゾフェノン誘導体の中で無置換のベンゾフェノン(BP)が反応性が高く,アルコキシ基置換の 4-メトキシベンゾフェノン(MBP)が低露光量でグラフト化率が高くなることがわかった.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 66 (3), 111-117, 2009

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (15)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ