AFPおよびPIVKA‐IIともに異常高値を示した胃肝様腺癌の1例

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  • Gastric Hepatoid Adenocarcinoma with Abnormally High AFP (Alpha–Fetoprotein) and PIVKA–II (Vitamin K Absence or Antagonist II)

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抄録

症例は66歳の男性で,気分不良および全身倦怠感を主訴に当院受診となった.16年前および6年前に舌癌の治療を施行され,胃瘻,気切管理中であった.胃体中部から下部,小彎から後壁にかけて出血性の隆起性病変を認め,血清AFP,PIVKA-II値はいずれも異常高値であり,肝S5に径15mm大の占拠性病変を認めた.胃癌,リンパ節転移,肝転移と診断した.貧血高度であり,出血コントロール目的に幽門側胃切除術を施行した.胃病変は,大型で異型の強い細胞の充実性シート状増生からなっており,胞巣間に網細血管が発達しておりhepatoid-adenocarcinomaと診断した.胃切除術後速やかにAFP,PIVKA-IIの著減を認め,肝転移巣にradiofreequency ablation(以下,RFAと略記)を施行した後に腫瘍マーカーが正常化したことから,これらの上昇は胃癌細胞による両蛋白の産生が関与し,胃癌の幼若化現象の面から興味深い症例であると考えられる.

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