腎細胞癌術後7年目に膵転移をきたした1例

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タイトル別名
  • A Case of Pancreatic Metastasis from Renal Cell Carcinoma 7 Years after Nephrectomy

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抄録

症例は62歳,男性.7年前に腎細胞癌にて他院で右腎摘出術を施行.その後,左肺転移にて左上葉切除術を施行.以後,当院にて外来経過観察していたところ,膵頭部に腫瘤を認めたため,精査加療目的にて当科紹介となった.造影CTにて膵頭部に約2cm大の造影効果をうける腫瘍性病変を認め,膵体尾部の主膵管の拡張を認めた.ERCPを施行するにVater乳頭部から突出するような形で腫瘍が露出していた.生検にてclear cell carcinomaであったため,腎細胞癌の膵転移と診断し,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.術後は問題なく経過し退院となった.術後約3年の現在,無再発生存中である.腎細胞癌の膵転移は比較的稀である.腎細胞癌術後から膵転移までの期間は比較的長く,術後は長期的な経過観察が重要であると思われた.また膵転移に対しては,切除により長期的な予後が期待できる可能性があると考えられた.

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