血小板減少を伴う切除不能肝細胞癌に対し脾摘後の肝動注化学療法が奏効した1例

書誌事項

タイトル別名
  • Intraarterial infusion chemotherapy following splenectomy for unresectable hepatocellular carcinoma with hypersplenism: a case report
  • 症例報告 血小板減少を伴う切除不能肝細胞癌に対し脾摘後の肝動注化学療法が奏効した1例
  • ショウレイ ホウコク ケッショウバン ゲンショウ オ トモナウ セツジョ フノウ カン サイボウガン ニ タイシヒテキゴ ノ カンドウ チュウ カガク リョウホウ ガ ソウコウ シタ 1レイ

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抄録

肝動脈注入化学療法(以下肝動注療法と略)は,門脈腫瘍塞栓を伴う切除不能肝細胞癌に対する治療として有望である.しかし併存する肝硬変と脾機能亢進による汎血球減少のために,肝動注療法が継続困難であることがしばしば経験される.我々は脾摘術によって肝動注療法を継続することができ,奏功した一例を経験したので報告する.症例は56歳男性,門脈腫瘍塞栓を伴う肝細胞癌であった.脾腫による血小板減少(3.5×104/mm3)を認めたため,肝動注療法に先立ち部分的脾動脈塞栓術を行ったが血小板数が十分に上昇せず,肝動注療法の継続が困難となった.脾摘術により血小板数は上昇し(15.4×104/mm3),動注療法を完遂することができた.腫瘍は著明に縮小し,血清PIVKA IIは1190 mAU/mlから107 mAU/mlへ低下した.脾摘術は脾機能亢進を伴う切除不能肝細胞癌に対する集学的治療の一環として考慮すべきと思われた.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 50 (4), 185-191, 2009

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (25)*注記

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