糸球体charge barrier機能の再検討

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  • Re-evaluation of Glomerular Charge Selective Protein-Sieving Function

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抄録

近年,ネフローゼ症候群における蛋白尿の主因はスリット膜障害にあると考えられているが,その中でcharge barrier機能障害による尿蛋白出現という仮説は放置された状態である。今回われわれは,charge selectivity index (CSI)1)を用いてPodocyte病35名,慢性糸球体腎炎72名,Dent病8名のCSIを測定しcharge barrier機能の再検討を行った。また,Dent病などの近位尿細管の蛋白再吸収障害をきたす疾患を用いることにより,原尿の分析が可能であり2),そのCSIは正常糸球体のcharge selectivityを反映すると考えた。CSI (mean±SD) は,慢性糸球体腎炎群1.12±0.25,Podocyte病群0.42±0.31,Dent病0.16±0.06と有意差を認め,Dent病と比較し,他の2群ではcharge barrier機能の有意な低下が認められた。スリット膜と糸球体基底膜には機能的相互作用が存在し,Podocyte病ではスリット膜障害と同時に従来の仮説通りcharge barrier機能の低下も生じると考えられた。

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