唾液による口腔癌のスクリーニング検査―プロテオームによるバイオマーカーの解析―

書誌事項

タイトル別名
  • A screening test for oral cancer using saliva samples-Proteomic analysis of biomarkers in whole saliva-
  • —Proteomic analysis of biomarkers in whole saliva—
  • ―プロテオームによるバイオマーカーの解析―

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抄録

我々は簡便で非侵襲的に反復して採取できる全唾液を試料とした口腔癌のスクリーニング検査の開発を行ってきた。今回,二次元電気泳動法,peptide-mass fingerprinting法によって口腔癌の全唾液で特徴的に変化するバイオマーカーの同定を行った。その結果,口腔癌患者の術前全唾液から検出され,術後全唾液および健常者全唾液から検出されない口腔扁平上皮癌と関係のあると考えられるタンパク質スポットは10個であった。その中で,口腔癌患者の唾液のみで検出されるenolase 1が同定された。enolase 1は口腔扁平上皮癌組織では健常組織に比べて強く発現していることが,免疫組織化学染色で確認された。このことから,enolase 1は唾液中に出現する口腔癌のバイオマーカーとしての有用性が示唆され,口腔癌組織に由来している可能性が考えられた。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 34 (4), 503-507, 2008

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (13)*注記

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