再建胃管に発生した胃前庭部毛細血管拡張症の1例

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  • A CASE OF GASTRIC ANTRAL VASCULAR ECTASIA IN THE RECONSTRUCTED GASTRIC TUBE

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抄録

患者は59歳,男性.平成14年1月,胸部中部食道扁平上皮癌の診断で,右開胸開腹食道亜全摘術を施行した.胸骨後経路,頸部吻合,大彎側細径胃管再建を行った.なお,術前の上部消化管内視鏡検査で胃に異常は認められなかった.その後,外来通院していたが,平成15年5月,上部消化管内視鏡検査で,再建胃管内に放射状に延長する縦長の発赤帯を認めたが,毛細血管の拡張は明らかではなかった.平成16年5月の上部消化管内視鏡検査では,発赤帯の毛細血管の拡張を認めた.平成17年3月の外来採血時,著明な貧血を認め,上部消化管内視鏡検査で,胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)からの出血と診断し,内視鏡下アルゴンプラズマ凝固療法を実施した.<BR>GAVEは消失し,胃粘膜の再生上皮化により治癒した.その後,出血の再発は認められていない.<BR>再建胃管に発生した胃前庭部毛細血管拡張症は非常に稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.

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参考文献 (39)*注記

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