直腸全周性狭窄で発見された前立腺癌の1例

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  • A CASE OF PROSTATE CANCER PRESENTED WITH ANNULAR SRICTURE OF THE RECTUM

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抄録

直腸癌と鑑別を要した前立腺癌直腸浸潤の1例を報告する.症例は82歳,男性.3週間前より排便困難を訴え近医受診,肛門診で直腸腫瘤を指摘され7月8日当院へ紹介された.直腸鏡で観察したところ粘膜は発赤浮腫を呈し,内腔の全周性狭窄を認めた.生検では炎症細胞を伴うのみであった.腹部CT上,前立腺は不整形で境界不明瞭であり,それに連続する直腸壁の全周にわたる肥厚が認められた.PSAは118ng/mlと高値であったため,前立腺癌による直腸浸潤が疑われた.経直腸的超音波ガイド下前立腺生検の結果,低分化型腺癌像を呈し,PSA免疫染色は陽性であったので前立腺癌の直腸浸潤と確定診断した.8月3日より内分泌療法を開始,9月4日には直腸狭窄は軽快傾向を示し,PSAも5.19ng/mlまで著明に低下した.治療開始から1年経過したが再狭窄はなく排便コントロールは良好である.

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