緊急手術を行った急性大腸偽閉塞症の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF ACUTE COLONIC PSEUDO-OBSTRUCTION REQUIRING EMERGENCY SURGERY

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抄録

症例は80歳,女性.既往歴に特記すべきことなし.前日の午後10時より腹部膨満・腹痛・嘔吐が出現した.腹部CT検査で大腸の著明な拡張を認めたが,大腸内視鏡では閉塞の原因は認めなかった.禁飲食・補液による保存的治療を継続したが改善せず,血圧低下・意識障害が出現しショックとなったため当科に転院となった.注腸造影でも通過障害や穿孔の所見は認めなかったが,ショックを呈していたため緊急手術を行った.開腹所見では盲腸から下行結腸まで著明な拡張を認めたが,S状結腸や直腸に病変は認めず,横行結腸に双孔式人工肛門を造設した.術後,人工肛門による減圧は良好で第19病日に退院した.人工肛門から腸管全層の病理組織診断を行ったが神経叢に異常はなかった.急激に発症し緊急手術を必要とする腸閉塞の原因として,急性大腸偽閉塞症を考慮する必要があると考えられた.

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