A型ウイルス肝炎経過中に自己免疫性溶血性貧血に伴って発症した赤芽球癆

書誌事項

タイトル別名
  • Pure red cell aplasia accompanied by autoimmune hemolytic anemia in a patient with type A viral hepatitis
  • 症例報告 A型ウイルス肝炎経過中に自己免疫性溶血性貧血に伴って発症した赤芽球癆
  • ショウレイ ホウコク Aガタ ウイルス カンエン ケイカ チュウ ニ ジコ メンエキセイ ヨウケツセイ ヒンケツ ニ トモナッテ ハッショウ シタ セキガ キュウロウ

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抄録

急性A型ウイルス肝炎に自己免疫性溶血性貧血に伴って赤芽球癆を発症した稀な症例を経験したので報告する。症例は55歳女性。感冒症状のため近医受診し,2007年1月より当院に紹介入院した。AST 9,605 IU/l, ALT 5,546 IU/l, PT 35.2%と急性肝炎の劇症化への進展を考え,血漿交換と血液濾過透析を行った。IgM-HA抗体は高値で,急性A型肝炎の重症型と診断した。肝酵素は改善傾向であったが黄疸が持続,第20病日から貧血が進行した。出血の所見はなく,ビリルビン上昇,LDH高値に加え,ハプトグロビン低下,Coombs試験陽性所見より自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の合併と診断した。網赤血球は低下し,骨髄も赤芽球系の低形成を示し,pure red cell aplasia (PRCA)の状態を示した。プレドニゾロン1 mg/kgにより貧血は速やかに改善した。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 50 (5), 424-429, 2009

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (15)*注記

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