髄液オレキシンが異常低値で重度の過眠症を呈した筋強直性ジストロフィーの1例

  • 岩田 朋晃
    東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学分野
  • 鈴木 直輝
    東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学分野
  • 水野 秀紀
    東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学分野
  • 中島 一郎
    東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学分野
  • 神林 崇
    秋田大学医学部神経運動器学講座精神科学分野
  • 糸山 泰人
    東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A marked decrease of orexin in the cerebrospinal fluid in a patient with myotonic dystrophy type 1 showing an excessive daytime sleepiness
  • ズイエキ オレキシン ガ イジョウ テイチ デ ジュウド ノ カミンショウ オ テイシタ キン キョウチョクセイ ジストロフィー ノ 1レイ

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抄録

遺伝子診断で確定した筋強直性ジストロフィー1型の60歳女性においてナルコレプシーを合併した症例を経験したので報告する.DMPK遺伝子の3'側非翻訳領域のCTGくりかえし配列は1,800∼2,400回と著明に延長していた.脳MRIでは脳幹・視床下部に異常をみとめなかった.終夜睡眠ポリグラフ検査では睡眠時無呼吸と肺胞低換気をみとめた.睡眠潜時反復検査では入眠時レム睡眠はみとめなかったが,髄液オレキシン(またはヒポクレチン)濃度が測定感度以下と著明に低下しており,身体疾患によるナルコレプシーと診断した.睡眠時無呼吸は突然死の原因にもなり,ナルコレプシーも生活の質の低下も招くことから筋強直性ジストロフィーの睡眠障害の内容を評価し,症例の社会環境を考慮し適切に対応することが重要と考えられた.<br>

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参考文献 (20)*注記

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