腸間膜デスモイド腫瘍が後腹膜に穿通したGardner症候群の1例

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  • A case of gardner's syndrome in which mesenteric desmoid tumors penetrated the retroperitonium

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抄録

症例は37歳,男性.5年前大腸ポリポージスの診断を受けていたが未治療であった.平成18年9月,腹痛を主訴に近医を受診,WBC,CRPの上昇と腹膜刺激症状を認め同日当院に入院した.入院時の腹部CT検査で肝前面のfree airと空気像を伴う後腹膜膿瘍を認めた.後腹膜腔への消化管穿通を伴う汎発性腹膜炎と診断し緊急手術を施行した.開腹時には混濁した腹水を認めた.また一塊となった回腸が後腹膜に穿通し膿瘍を形成していた.手術は一塊となった回腸切除,回腸ストーマ造設術を施行した.病理組織学的には切除した回腸腸間膜にデスモイド腫瘍を認め同部近傍が穿通していた.術後の精査で上下顎骨に骨腫を認めGardner症候群と診断した.デスモイド腫瘍は組織学的には良性腫瘍であるが浸潤性に発育し再発も多く,臨床的に悪性の経過をたどることが多い.穿通という稀な症状にて発症したGardner症候群の1例を報告する.

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