胃癌を合併した胃限局性若年性ポリポーシスの1例

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  • A CASE OF JUVENILE POLYPOSIS LOCALIZED IN THE STOMACH ASSOCIATED WITH GASTRIC CANCER

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抄録

症例は60歳,女性.1996年に浮腫を主訴に近医を受診し,鉄欠乏性貧血と低蛋白血症を指摘された.胃内視鏡検査で胃全体に巨大皺壁を伴う胃ポリポーシスと十二指腸に脱出する巨大ポリープを認め,過形成性ポリープと診断され経過観察されていた.2005年12月より黒色便,嘔吐が出現し,前庭部の巨大ポリープによる幽門閉塞と診断された.保存的治療に抵抗性であったため外科的治療が必要と考えられ開腹手術を施行した.術中に漿膜外浸潤と腹膜播種巣が認められ,胃癌による癌性腹膜炎と診断し胃全摘術を施行した.病理組織検査にて胃癌を合併した胃限局性若年性ポリポーシスと診断した.一般に若年性ポリポーシスは非腫瘍性の過形成性病変であり癌化は少ないとされるが本疾患にかぎり癌の合併は高率であり,蛋白漏出性胃腸症や貧血に対する根治的治療として胃全摘術が必要と考えられた.

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