冬春季に天草灘・五島灘南部陸棚縁辺部で観測された北-北東向きの流れの構造と変動 Structure and variation of the north to northeastward current observed on the continental margin of the Amakusa-nada and southern part of Goto-nada through winter to spring

この論文にアクセスする

この論文をさがす

著者

抄録

五島灘は、長崎県の五島列島と西彼杵半島および平戸島に囲まれ、南に大きく開いた海湾であり、天草灘はその南東方向に位置している。両灘の海底地形は大部分が200m以浅の大陸棚で占められているが、陸棚谷が発達しており海底の形状は極めて複雑である。この海域の流れについては、これまで小田巻の測流結果が報告されているだけで観測データが少なく、その実態には不明の点が多い。一方、天草灘の北東方向に位置する橘湾はイワシ類を漁獲対象とする中小型まき網等の漁業が営まれており、近年は春季に漁獲される小型のカタクチイワシが重要な漁獲対象となっている。下村ほかは橘湾で漁獲されるカタクチイワシは主として仔稚魚期に天草灘・五島灘から補給されることを示唆しており、その漁況には五島灘・天草灘の流れの状況が重要なかかわりを持つものと考えられる。仔稚魚の輸送への寄与という点からは往復流である潮流よりも、残差流の果たす役割が重要であるが、残差流を算出するためには長期間にわたる流れの係留観測を行うことが必要であり、船舶の往来が多く漁業活動が盛んな当該海域では、係留系を用いた観測を長期間実施することは困難である。このため、これまで五島灘・天草灘における残差流に関する知見は非常に限られている。本研究では、冬季から春季の五島灘南部・天草灘海域において、潮汐成分除去を目的とした船舶設置型超音波潮流計による測流観測を繰り返し実施し、残差流(日平均流)の変動実態を明らかにするとともに、その結果を測流時のSTDによる水温・塩分観測結果や人工衛星画像にもとづく海面水温分布と対応させることにより、残差流の変動と水塊構造との関連性について考察した。

収録刊行物

  • 水産海洋研究

    水産海洋研究 73(3), 172-180, 2009-08-28

    水産海洋学会

参考文献:  9件中 1-9件 を表示

被引用文献:  2件中 1-2件 を表示

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10025530745
  • NII書誌ID(NCID)
    AN10063434
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    ART
  • ISSN
    03889149
  • NDL 記事登録ID
    10427944
  • NDL 雑誌分類
    ZR26(科学技術--農林水産--水産)
  • NDL 請求記号
    Z18-999
  • データ提供元
    CJP書誌  CJP引用  NDL  IR 
ページトップへ