瞬目後の一過性縮瞳が視機能に及ぼす影響

  • 山本 真也
    北里大学大学院医療系研究科視覚情報科学
  • 魚里 博
    北里大学大学院医療系研究科視覚情報科学 北里大学大学院医療系研究科眼科学 北里大学医療衛生学部視覚機能療法学専攻
  • 川守田 拓志
    北里大学大学院医療系研究科視覚情報科学 北里大学大学院医療系研究科眼科学 北里大学医療衛生学部視覚機能療法学専攻
  • 中山 奈々美
    北里大学大学院医療系研究科眼科学

書誌事項

タイトル別名
  • Temporary Miosis after Blinking Effect on Visual Function

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抄録

<p>目的:瞬目後に生じる一過性縮瞳が視機能に及ぼす影響について検討した。</p><p>方法:対象は健常被検者17名17眼である。本実験は,コントラスト視力装置に電子瞳孔計を内蔵した改良型CAT-2000TM(メニコン社)を用いた。自発性瞬目と随意性瞬目にて測定し,瞳孔径は瞬目前基礎値と瞬目後最小値を評価した。そしてシクロペントラート塩酸塩(サイプレジン®)点眼後,平均瞬目前基礎値と瞬目後最小値に対応した人工瞳孔を用いてコントラスト視力の測定を行った。</p><p>結果:瞳孔径は瞬目後に一過性の有意な縮瞳を認めた。その変化量は,自発性瞬目で約0.5mm,随意性瞬目で約0.5~1.5mmであった。コントラスト視力は,平均瞬目前基礎値から人工瞳孔が1.0mm以上縮小することで1~2段階程度の有意な上昇が認められた。</p><p>結論:瞬目後に生じる一過性の縮瞳は,一時的に焦点深度拡大や網膜像の質の向上に寄与し,その結果,視機能に影響を与える可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 視覚の科学

    視覚の科学 30 (3), 84-89, 2009

    日本眼光学学会

参考文献 (26)*注記

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