蝶の翅の構造色：鱗粉の微細構造，湾曲，重なりの光学効果

• 吉岡 伸也

  大阪大学・生命機能研究科

書誌事項

タイトル別名

• Structural color of the lepidopteran scale: optical effects of microstructure, curvature and overlap of the scales
• チョウ ノ ハネ ノ コウゾウショク リンプン ノ ビサイ コウゾウ ワンキョク カサナリ ノ コウガク コウカ

抄録

青いモルフォチョウを代表例とする構造色, その輝きは古くから科学者達の注目を集めてきた。光学顕微鏡で詳しい観察がされた時代の後, 20世紀中頃に電子顕微鏡が開発されると構造色研究は大きく進展した。輝きの背後にある緻密な微細構造が次々と明らかにされたのである。その構造には波長サイズの周期性が見られたため, 光の波としての性質である“干渉”が, 波長選択的な反射に寄与していることが確かになった。しかし, 自然界の構造色は, 微細構造だけで語ることはできない。もっと大きなサイズの形状や色素の併用など, 総合的な発色の工夫を生物は持っているのである。蝶や蛾の鮮やかな翅の発色の仕組みを紹介しながら, 構造色研究の現状と今後の方向性について考えてみたい。

収録刊行物

• 比較生理生化学

  比較生理生化学 25 (3), 86-95, 2008

  日本比較生理生化学会

詳細情報

• CRID: 1390001204668426112
• NII論文ID: 10025617071
• NII書誌ID: AN10391932
• DOI: 10.3330/hikakuseiriseika.25.86
• ISSN: 18819346
• ISSN: 09163786
• NDL書誌ID: 9650523
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I9650523
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/hikakuseiriseika/25/3/25_3_86/_pdf
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可