牧草サイレージ主体飼養における泌乳初期牛の乳生産および血液成分に及ぼすルーメン保護アミノ酸添加の影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of ruminally protected amino acids on milk yield and blood components of early lactating dairy cows fed grass silage-based diet.
  • ボクソウ サイレージ シュタイ シヨウ ニ オケル ヒツニュウ ショキギュウ ノ ニュウセイサン オヨビ ケツエキ セイブン ニ オヨボス ルーメン ホゴ アミノサン テンカ ノ エイキョウ

この論文をさがす

抄録

泌乳初期牛に牧草サイレージ主体の混合飼料を給与し, ルーメン保護メチオニン (RPM) およびルーメン保護リジン (RPL) の添加試験を2回実施し, 乳生産および血液成分に及ぼす影響を検討した. 試験1では2産以上の乳牛16頭を用い, RPM (DL-メチオニン量で30g) を分娩後16週間添加 (RPM区) し, 試験2では同14頭を用い, RPM (同15g) およびRPL (L-リジン量で20g) を分娩後12週間添加 (RPML区) し, 各々対照区を設けた. 乾物摂取量および実乳量は, 試験1, 2とも処理間に差がなかった. しかし, 乳蛋白質率は試験1の分娩後3~8週では, 対照区が2.87%, RPM区が3.07%, 試験2では分娩後3~12週で対照区が2.80%, RPML区が3.00%と, いずれも添加区が0.20ポイント高い傾向にあった (各々P<0.02, P<0.21). 乳蛋白質量は試験1, 2とも添加区が多い傾向にあった. 血清遊離メチオニン濃度は, 試験1, 2とも添加区が対照区に比べ高かった (P<0.01). しかし, 血清遊離リジン濃度は, リジンを添加した試験2でも処理間に差がなく, リジン添加の効果は少なかったと推察された. 以上の結果より, 牧草サイレージ主体飼養では, RPM添加により, 乳合成において制限アミノ酸とされるメチオニンが補給され, 乳蛋白質率が高まるものと考えられた.

収録刊行物

  • 日本畜産学会報

    日本畜産学会報 73 (3), 417-422, 2002

    公益社団法人 日本畜産学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (52)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ