小鳥のさえずりの維持と可塑性―成鳥における聴覚フィードバックの役割について―

• 渡辺 愛子

  理化学研究所脳科学総合研究センター発声行動機構研究チーム

• 坂口 博信

  獨協医科大学医学部生理 (生体情報)

書誌事項

タイトル別名

• Song maintenance and plasticity in adult birds
• コトリ ノ サエズリ ノ イジ ト カソセイ セイチョウ ニ オケル チョウカク フィードバック ノ ヤクワリ ニ ツイテ
• ―成鳥における聴覚フィードバックの役割について―

抄録

スズメ目の鳴禽類, オウム目, ハチドリ目に属する鳥は, 音声学習によってさえずり (歌) を発達させ, 種内のコミュニケーションに用いている。鳴禽類の雄の幼鳥は, 成長期に手本となる鳥の歌を聞いて記憶し練習することで歌を完成させる。この練習時には, 自分のさえずる歌が学習目標となる歌の手本にどれだけ近づいたかを常にモニターするために, 聴覚フィードバックが必要であることが明らかにされている。さらに, 成鳥が完成後の歌を維持するためにも, 同じ理由で聴覚フィードバックが必要であることが, 筆者等の研究も含めた近年の報告により明らかになってきた。成鳥での聴覚フィードバックの重要性については, 鳴禽類の種で異なる結果が報告され, いまだに不明な点が多い。そこで本稿では, 筆者等の研究結果を交え, まず行動レベルで聴覚剥奪後の歌の特徴を比較して, 成鳥の歌の維持における聴覚フィードバックの必要性について検討した。次に, 聴覚剥奪によって成鳥の歌が変化する時に起こる脳内の変化を調べ, 聴覚フィードバックによって制御される成鳥の歌維持の脳内機構についても考察した。

収録刊行物

• 比較生理生化学

  比較生理生化学 23 (1), 20-31, 2006

  日本比較生理生化学会

キーワード

• Songbirds
• Adult song maintenance
• Auditory feedback
• Vocal plasticity
• Song control nuclei
• Protein kinase C
• Neurogenesis

詳細情報

• CRID: 1390282679647071488
• NII論文ID: 10025858384
• NII書誌ID: AN10391932
• DOI: 10.3330/hikakuseiriseika.23.20
• ISSN: 18819346
• ISSN: 09163786
• NDL書誌ID: 7830548
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I7830548
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可