京都市のマツ枯れ被害林における10 年間の林分動態

• 呉 初平

  京都大学大学院農学研究科

• 安藤 信

  京都大学フィールド科学教育研究センター

書誌事項

タイトル別名

• Stand structure and dynamics during a 10.year period of pine wilt dis-ease forests in Kyoto City
• キョウトシ ノ マツ ガレ ヒガイリン ニ オケル 10ネンカン ノ リン ブン ドウタイ

抄録

京都市近郊のアカマツ林は，1980 年代に激化したマツ枯れにより，林相を大きく変化させた。これらの林分の動態を明らかにするため，1997 年に毎木調査が行われた4 林分の調査地において，2007 年に再調査を行い，10 年間の林分構造の変化を検討した。1997 年に既にアカマツが消失していた林分では，広葉樹林化が進行し，種多様性が低下していた。一方，高木種が少ないマツ枯れ低質林ではアカマツ更新木が多くみられたが，亜高木種より樹高が低く本数が少なかったことから，自然状態ではアカマツ林の再生は期待できないと考えられる。さらに，マツ枯れが高標高域にまで進行し，マツ枯れ低質林が拡大する可能性が示唆された。マツ枯れ低質林をアカマツ林に誘導するためには，アカマツ更新木が多い林分では亜高木種を除伐し，少ない林分ではさらにアカマツの更新を促進するための森林施業が必要となる。

収録刊行物

• 日本緑化工学会誌

  日本緑化工学会誌 35 (3), 440-447, 2009

  日本緑化工学会

キーワード

• アカマツ
• マツ枯れ
• 都市林
• 林分構造と動態
• 植生遷移

詳細情報

• CRID: 1390282680059707008
• NII論文ID: 10025958085
• NII書誌ID: AN10130633
• DOI: 10.7211/jjsrt.35.440
• ISSN: 18843670
• ISSN: 09167439
• NDL書誌ID: 10606146
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I10606146
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsrt/35/3/35_3_440/_pdf
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可