市民の認識する"医師のプロフェッショナリズム"に関する質的研究:欧米の医師憲章との比較

  • 高橋 理
    聖路加国際病院一般内科・聖ルカ・ライフサイエンス研究所臨床疫学センター
  • 大生 定義
    立教大学社会学部
  • 徳田 安春
    筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター,水戸地域医療教育センター,水戸協同病院総合診療科,
  • 萱間 真美
    聖路加看護大学精神看護学
  • 福井 次矢
    聖路加国際病院一般内科・聖ルカ・ライフサイエンス研究所臨床疫学センター

書誌事項

タイトル別名
  • Medical Professionalism's themes from the viewpoint of general population: A qualitative study
  • シミン ノ ニンシキ スル イシ ノ プロフェッショナリズム ニ カンスル シツテキ ケンキュウ オウベイ ノ イシ ケンショウ ト ノ ヒカク

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抄録

世界レベルで関心の高い医師のプロフェッショナリズムは,社会との関係性が十分考慮されることが重要であるといわれている.しかし,医療を受ける側・患者の視点から考える医師のプロフェッショナリズムの構成概念を実証的に検討した研究は少ない.<br>1)東京と大阪の市民各6人を対象に約2時間グループインタビューを行った.<br>2) インタビューの逐語録を質的・帰納的に分析し市民が認識する医師のプロフェッショナリズムを構成する要素を探索した.また,それらを欧米の医師憲章と比較した.<br>3) 探索の結果,医師のプロフェッショナリズムと関連すると考えられる要素は,(1)患者への献身・奉仕 (2)公正性 (3)医師の社会的責任 (4)企業との適切な関係 (5)患者との適切な関係,の5つに分類された.<br>4) 欧米の医師憲章とは重なる要素もあるが,抽出されなかった要素も認めた.患者との適切な関係では,医師への謝礼に関して患者間で相反する意見もみられた.<br>5) 医師のプロフェッショナリズムについて社会から理解を得るためには,わが国の市民の認識を考慮した構成概念が必要であろう.

収録刊行物

  • 医学教育

    医学教育 40 (6), 411-417, 2009

    日本医学教育学会

参考文献 (15)*注記

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