食道多発扁平上皮癌に癌肉腫を合併した1例

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  • A Case Report of Multiple Squamous Cell Carcinoma with Carcinosarcoma of the Esophagus

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抄録

食道に多発する扁平上皮癌の一部に癌肉腫を伴った症例を報告する.症例は72歳の男性,胃切除と回盲部切除の既往がある.嚥下困難を主訴に検索の結果,胸部食道に有茎性で6cm大の腫瘍を認め,生検の結果から食道癌との診断のもとで,3領域リンパ節郭清を伴う右開胸開腹食道亜全摘術と左結腸による食道再建術を施行した.摘出標本においてIIc病変より脆弱な茎を経て連続する長径12cmの隆起性腫瘍を認めた.病理組織検査では,隆起性病変は上皮性腫瘍成分と間葉系腫瘍成分の移行像がみられ癌肉腫と診断され,深達度sm3であった.他に島状に広範囲に広がるdysplasiaを認め,その一部に扁平上皮癌の多発を認めた.術後経過は良好で,術後64日目に退院され,12カ月間再発徴候を認めていない.多発扁平上皮癌に食道癌肉腫を合併した症例は検索し得た限りでは1例のみで稀少である.

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参考文献 (34)*注記

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