空腸憩室穿通による腸間膜膿瘍が腹腔内に穿孔した1例

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タイトル別名
  • A Case of Mesenteric Abscess Perforation Due to Jejunal Diverticular Penetration

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抄録

症例は63歳,男性.腹痛を主訴として当院を受診された.腹部CT上腹腔内にfree airを認め,消化管穿孔および汎発性腹膜炎との診断で緊急手術を施行した.術中所見上Treitz靭帯から約50cm~80cm肛門側の空腸間膜付着部に気腫を認め,同部位の腸間膜が腫脹していた.その腫脹部に径5mm大の穿孔が認められ,この部位から腹腔への膿性排液の流出が認められた.以上の所見より空腸の腸間膜への穿通による腸間膜膿瘍の穿孔と診断した.腫脹した腸間膜を含めて空腸部分切除術を施行した.摘出標本所見では空腸の腸間膜側に5~6個の憩室が認められ,その内の1個が腸間膜内に穿通し膿瘍形成をきたしていた.空腸間膜内に穿通し膿瘍を形成,その結果腸間膜が穿孔した空腸憩室炎の報告は珍しく,若干の文献的考察を加えて報告する.

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参考文献 (31)*注記

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