知的障害を伴う自閉症児 (者) の抑うつ症状としての「指示待ち」と治療的介入

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タイトル別名
  • Waiting-for-Instruction Behavior as Depressive Symptom in Mentally Retarded Autistic Children and Adolescents and Its Treatment

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抄録

 「指示待ち」はすでに獲得された日常生活行動をスモールステップな指示があるまで待つ状態である. 中等度以上の知的障害を伴う自閉症があり, 「指示待ち」を呈した9症例を検討したところ, 全例で大うつ病エピソードを満たし, 気分障害の合併と診断し得た. 9症例のうち7症例でfluvoxamineが「指示待ち」を含めた抑うつ状態に有効であった. 無効例ではrisperidoneやvalproate sodiumが有効であり, これらの症例が双極II型障害である可能性がある. 「指示待ち」は気分を言語表現できない自閉症がある児 (者) にとって, 抑うつ状態の症状であり, 診断上有用と考えられた.

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 41 (6), 431-435, 2009

    一般社団法人 日本小児神経学会

参考文献 (20)*注記

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