採卵用成鶏に発生した急性敗血症型大腸菌症

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タイトル別名
  • 業績ノート 採卵用成鶏に発生した急性敗血症型大腸菌症
  • ギョウセキ ノート サイランヨウ セイケイ ニ ハッセイ シタ キュウセイ ハイケツショウガタ ダイチョウキンショウ

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抄録

2007年1月から2月、千葉県のケージ飼養の一採卵鶏農場で、75週齢の成鶏が急死した。臨床症状は認められず、1日当たりの死亡率は0.03%から0.28%まで上昇した。剖検では、一部の鶏にきわめて軽度の肝被膜炎を認めた以外、著変は認められなかった。病理組織学的には、脾臓の濾胞と莢組織の線維素滲出を伴う壊死および肺や肝臓等に線維素性血栓が認められ、播種性血管内凝固の病態を呈していた。細菌学的検査では、全身の実質臓器から大腸菌O78が分離された。本例は、当初発生状況から高病原性鳥インフルエンザが疑われたが、病性鑑定の結果、高病原性鳥インフルエンザは否定され、大腸菌O78による急性敗血症型大腸菌症と診断した。発生要因として、珪藻土散布による鶏舎内塵埃と換気不良が考えられた。急性敗血症型大腸菌症は高病原性鳥インフルエンザの類症鑑別として重要と考えられる。

収録刊行物

  • 鶏病研究会報

    鶏病研究会報 45 (1), 22-27, 2009-05

    つくば : 鶏病研究会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (16)*注記

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