乳腺領域におけるReal-time Virtual Sonographyの臨床的有用性について

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  • Clinical usefulness of real-time virtual sonography for breast imaging

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抄録

Real-time virtual sonography®(RVS)は,超音波走査(US)の走査と同期して,取得しておいたCTやMRIのボリュームデータから,同一断面のMPR(multi planar reconstruction)像を並列描画するUSシステムである.このシステムは,腹部領域ですでに臨床活用されているが,リニア型プローブによる表在領域でも適用可能となった.本邦では,マルチスライスCTの導入を機に,乳腺CTの活用性が高く評価されてきた.手術体位と同じ仰臥位で撮像取得される高解像度CTデータは,高画質な三次元再構成を可能とし,温存術に対する有用なシミュレーションとなり得る.但し,これらの画像は視認性に優れるものの,術野への投影は視覚的に行われるのみで正確とはいえない.USは,リアルタイム性を備えていることから,術前検査として理想的であるが,CTと比較し病変の検出能が劣る傾向にある.検者の主観や技量に影響されやすい点も短所である.乳腺領域におけるRVS適用の目的は,リアルタイム性を備えるUSとCTボリュームデータを融合することによって,これらの問題点を解決することである.さらに,我々は,MRIデータを用いてRVSを行うことを試みている.MRIとUSの撮像体位の相違が大きな問題であるが,今後,MR-detected lesionに対するsecond-look USの支援システムとして,その有用性が発揮されることを期待したい.

収録刊行物

  • 超音波医学

    超音波医学 36 (6), 669-678, 2009

    公益社団法人 日本超音波医学会

参考文献 (32)*注記

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